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「食のパラドックス」part1

  • イナベ・ユウイチ
  • 1月 28, 2020
  • One Comment
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みなさん、こんにちは。

何回かに分けて、スティーブン・ガンドリー博士の「食のパラドックス」という本について

書いてみたいとおもいます。

 

この博士は、この本に書かれている考えにのっとった食事療法で、

これまでに生活習慣病・慢性疾患・難病患者を数千人のオーダーで治してきたらしいです。

 

僕がこの本に興味を持ったきっかけは、これまで健康食として認識されてきた穀物・豆類・野菜が、

実は健康を損なうものであるとして、いわゆるオーガニック派の常識に反した説を唱えていたから。

 

**

 

これまでに、割と厳格な自然食志向の方が、悪性腫瘍によって若くして亡くなった話や、

マクロビオティックを実践することで体調が悪化した話などを聞いたことが度々あります。

(有名人だとジョブスさんでしょうか)

 

僕自身、何年かマクロビオティックに従って食事をしていましたが、

体感的にあまりしっくりこず、今と比べても活力がなかったように感じます。

(マクロビオティック自体はもちろん素晴らしいのですが、僕は厳格にやらない方がよかった、ということ)

 

 

その原因に関しては、体質的に合う・合わないという問題もさることながら、

現代の食材は、古くからの食養生やマクロビオティックなどが前提としているものと比べ、

不自然な処理、さまざまな添加物や有毒物質によって”汚染”されているのかなーと考えたりしてました。

(無農薬野菜でも硝酸体窒素が高いとか、海藻・キノコも放射能汚染があるとか)

 

しかし! この「食のパラドックス」を読んでみて、生理科学的・人類学的な視点から

「全粒穀物、トマト、大豆などはダメ」

と述べている論理にとっても整合性があって、

「あ、だから調子がイマイチだったのかな??」

と、おもわず説得されてしまいました。

 

もちろん、それも個人差による部分はあるわけですが、

一般論としてなぜ「全粒穀物やトマト、大豆とか」がよろしくないのか、

まずはその理由から入っていこうとおもいます。

 

(ちなみに、この本では健康を阻害する添加物や外的要因、間違った食事制限などにも

 たくさん言及しているので、その辺はまたおいおい…)

 

dav

ある日の夕飯。「食のパラドックス」的には70点くらい?

まず、植物と動物との生存競争の話から。

この地球に植物が誕生したのが4億5千年前のこと。

その後に昆虫や動物が誕生すると、植物を食べものとして捕食し始めました。

このままでは食べられっぱなしです。

 

すると植物は、DNAに刻まれた自己保存の本能のままに進化を始めます。

当然のように植物はその場を移動できないので、独特な生存戦略をとりはじめました。

 

その1つめが、「自分のタネを動物に食べてもらい、遠くで糞の中に出してもらい、そこで繁殖しよう」という戦略。

2つめが、「動物が食べたくなくなるように、タネに毒性を仕込もう」という戦略。

 

前者の戦略を取るのは、タネが外皮につつまれている果物。

例えば、「みかん」を例にとりましょう。

 

果物の樹木は密集して生えるわけにはいかないので、親木から離れたところでないと子は成長できませんよね。

なので、動物が食べたくなるような実の中にかたーいタネを仕込んでおいて、

どこか離れた場所で出された糞の中から発芽を待つ、という子孫の残し方を選びました。

 

実の中のタネが十分に堅く成長してから動物に食べてもらいたいので、

その間は美味しくなさそうな「緑色」で、味も苦い。

タネが準備オッケーになったら、「黄色」「オレンジ色」になって、あま〜く美味しくなる。

熟した実からはステキな香りも漂うでしょう。

こうして、落ちて腐る前に動物になんとかして食べてもらうわけです。

 

さらに、果物の糖分はグルコース(ブドウ糖)ではなくフルクトース(果糖)。

つまり、インスリン分泌による血糖値の上昇があまりない=体がいくらでも欲してしまう!というカラクリ。

これで、繁殖しないわけがないですね。

植物、賢すぎます。

 

これは古代の人々にとっても、まさに自然の恵み以外の何物でもないですね。

(果物の取れる暖かいシーズンに栄養を蓄えて、冬場は質素にしのぐ、

というのが古代の人間の食事スタイルだったとも書かれています)

 

ただ、現代はただでさえ糖質過剰のライフスタイルなので、果糖を摂取することは

あまりプラスにならないと博士は言っていますが…

 

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と、ここまではいいのですが、

2つ目の戦略が動物にとって、きわめて厄介。

 

例えば「豆」のような草原地帯に生える一年草の場合、

別の場所に生えるよりも、今の肥沃な場所に適応しているタネから子が成長した方が生存上有利。

その結果、タネを食べられないように「毒性」をもたせた、ということのようです。

 

その昆虫・動物にとって「毒」になる成分はいくつかあり、その中の代表格が「レクチン」と呼ばれます。

「レクチン」はたんぱく質の一種ですが、毒性によって腸壁のバリアを破壊して免疫機能を弱らせたり、

細胞間の神経伝達を阻害したりするそうです。

 

昆虫サイズだと消化吸収ができなくなってすぐに死んでしまうくらいの作用があるようですが、

人間くらいデカイサイズになると、急性ではなく「ゆっくりと」生体にダメージを与えるらしく。

 

(人により急性アレルギーで重篤化することがありますが、それは特定のレクチンに対する感受性が

とても高いから、という解釈になります)

 

数年前から「グルテンフリー」が日本でも広まっていますが、

グルテンはレクチンの一種に過ぎないんですね。

 

本格的な治療の段階となると、グルテンのみならずあらゆる「レクチン」を

食事から除去する必要がある、ということになります。

 

うーむ、奥がふかい…

 

***

 

このように、植物から栄養をもらう代わりに、毒もまたもらっている、という「パラドックス」。

 

すごーく、面白いですね。

 

植物が思考する(ように現象としては見える)、というのは最新の研究でもわかってきていることで、

今もわれわれ動物との間では見えない戦いが続いている…ということのようです。

 

次回はいつになるかわかりませんが、より突っ込んで「レクチン」なるものの正体について

くわしく整理してみたいとおもいます!

 

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