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1月20日は、寒さの極まる大寒でしたね。
そして、今週の土曜日は旧暦の元旦に当たります。
今回は旧暦についてすこし…
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まず、現在の暦は「太陽暦」、地球から見た”太陽”のうごきを元に作られています。
「グレゴリオ暦」とも呼ばれることからも分かる通り、明治初期に西洋化の流れの中で突然導入されたもの。
そして、「旧暦」「太陰暦」と呼ばれるものは、地球から見た”月(陰)”のうごきを元にしています。
(正確には「太陰太陽暦」と言い、徐々にずれる太陽暦とのギャップを調整しています)
地球と、そこから最も近い天体である月との間には、深い深いつながりがあることを
人々は古来から理解し、それを暦として形にしてきました。
暦(こよみ)の語源は「日読(かよみ」であり、さらに「月読(つくよみ)」という言葉にまで
遡れるそうです。
つまり、月の動きによって日が変わってゆく感覚が当たり前だった、ということ。
月が巡っては戻るようにして、日も1から29まで巡り、そして戻り。
体のリズムも、心のリズムも、巡っては戻り。
すべての自然は、巡っては、戻る。
円環型の時間感覚がいつに始まったのかについて、農耕型の生活(生産と貯蔵の必要性)と結びつける議論も
あるようですが、もっと昔の狩猟採集時代から人々はしっかりと理解していたものと想像します。
夜に光がどのくらいあるかとか、動物の活動性の変化だとか、採集のタイミングだとか、
生命にかかわる見通しに密接な情報が詰まっていたはず。
今を生きる私たちは、そんな情報がなくても暮らしてゆけますが、
人体が巡る自然の一部分である以上、見えずとも深いところでつながっている、と考えるのが自然です。
上のカレンダーを眺めてみると…
今この記事を書いている1/22は、下弦の月から新月(朔月)に向かう最中で、
新月になる1/25が和暦でいう「お正月」になります。
角度を変えると、1/18にはじまる冬の土用の7日後に年が明け、その10日後に立春が来ることもわかります。
厳しい寒さを乗り越えて、そっと年が明け、すこしずつ春の伊吹きを感じ始める、といった感じでしょうか。
ここで古来からの習慣と季節と月の作用を考え合わせれば…
年越しに粗食の蕎麦を食べ、お正月から滋養強壮のお餅を食べる=
下限の月から新月にかけて活発になった排毒(デトックス)の仕上げ=蕎麦。
上限の月と立春に向け、上がってゆく気に体をチューニングする=餅。
とても理にかなっているように感じます。
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いろんな名前の病気が増えて、いろんな原因や問題が取り上げられる現在ですが、
そもそも根本的なこととして、
月=自然=体のリズムを無視した生活習慣によって、
巡るものが巡らない=滞り=病のタネになっているのでは?
とつい考えてしまいますね。
今日はこのくらいにして、また季節の変わり目に続きを書きたいと思います。
それでは皆さま、良いお年を!
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